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2020.3.25

理想と現実のギャップ

暗そうなタイトルになってしまった…
結構ポジティブな内容なんですが…


昨年、数名の方を面接させていただいた中から2名の学生が課題を提出してくれました。

どちらの学生も課題の出来も人間的にも是非一緒に仕事をしたいと思った2名でした。

先日、そんな学生が所属していた専門学校の卒業制作展へ行ってきました。

以前いた事務所が近かったことで毎朝通っていましたが中に入るのははじめてでした。

こんなにたくさんの学部があるんだなぁーと感心しながら全フロアを一人で回ってみました。

ビジュアルデザイン学科は2年生も1年生もレベルの高い子は多いなぁと感じたり、その中でも個人的にはインテリア学科の2年生の子の企画やプレゼンテーションの作り方が面白いなぁと感じたり、アニメーションのアプローチも、こんなことできるんだなぁ~と感心したりと面白い1日になりました。


で、何が言いたいかと言いますと、

その時にフォローした学生のインスタでなるほどなぁ~と思うことがあったので

僕が大事に思っていることをブログに書いて、
これから会う方や現在のスタッフにも伝わったらなと思います。

ざっくりいうと、
「理想と現実のギャップ」
その学生のインスタの投稿には


学生のうちは好きなことが制限なくできて
制限というのはコストやクライアントの意向で、
就職やフリーランスとして世の中に出た時には
そんなこと言ってられなくて、
学生のうちは自由に、デザイナーになりたいなら現実的に
という言葉が綴られていた。


これ結構デザイン会社の経営をしている方だったり、
デザインの部署の責任者の立場の方だったら
グサっとくる内容じゃないですか?

夢ある学生に就職したら現実が待っているなんて思わせてしまっていること。
デザイナーになることが窮屈な道であると思わせてしまっていること。
その通りだと思う反面、そうじゃなくしたいなと思っている
そんな気持ちになったので今回出会ったそんな文章に対して
誰に対してという訳でもなく、自分への戒めというか、
ちゃんと感じた事を書いておこうと思ったわけです。

現在、弊社に仕事をいただいている中で、
僕たちの会社に求められているデザインの依頼の99%が
「会社の業績を上げること」がバックグラウンドにあります。
この時点で一つの制限が既にできている事になります。

更に、業績を上げるためにはターゲットに当てにいく必要もあります。
そして必ず予算があります。

「いくらお金がかかってもいいから良いものを作ってくれれば良い」
なんて言ってくれる太っ腹な経営者は今のところ会ったことがありません。

そして納期、

「いつまでも時間がかかってもいいからいいもの作ってくれれば良い」
なんて悠長な経営者も今のところ会ったことがありません。

こちらとしても、
納期が長い=考える時間がたくさんある
ではなく後回しにする時間が長いだけだと実は思っています。

すなわち、この数行で既に4つの制限が設けられてしまっています。

どうしたものか、
この学生に良い答えや、反論の一つも言えやしない…

結局、アーティストでない僕たちには
そう言った制限が付き纏うのは事実かもしれない。
好きなものを制作するというベクトルではなく、
問題を改善させようというベクトルだからだ。

でも、僕が思うのは、大事なのは「体質」だと思う。会社の体質。
それらの制限を「ルール・原則」として嫌なものとして捉えるべきか、
決められたルールの中で最大限のクリエイティブを発揮して
クリエイターとしての自由発送を面白いと思える
そんな経営者、先輩の仕事の振り方、途中経過の確認、度量
それらがあれば制限は最低限のルールとして
スポーツのようにあっても良いのではないかと僕は思います。

こういった会社の「体質」が大事なんじゃないかと思います。

デザイナーになったらもっと面白い仕事がもっとできる!

世の中に出ること、就職することをネガティブに捉える学生さんがいるなら
その価値観を変えられる会社、人間でありたいなと思います。

てことで僕がアートディレクターとはを学びながら出会った言葉を紹介したいと思います。

この感覚を持った(忘れない)クリエイターでありたいと思う。
そういう社員を育てて生きたい。
そういう人と仕事がしたい。
そういう人に入社して欲しい、育てていきたい。

僕にしては居酒屋で喋ってるくらい長文になってしまいました。
そして読み返してみてもまとまっているとは思えませんが
自分に対して思っていることは書いたと思ってます。

読んでくれた方がいたらありがとうございます。

クラッチワークス 永冶