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2024.3.3

Design Bath in Tokyo [tsukuda day1]

こんにちはデザイナーの附田です!
入社3年目にして初めてのブログ…。ついにこの時が来ました。(密かに避けてた)

というのも昨年11月、社内で新たに【 Design Bath in Tokyo 】という企画が発表されました!
なんとこの企画に先輩の萌さんと選抜され、実際に2024年1月に東京へ行ってきたのです。
企画の様子や感じたことを、ブログで報告したいと思います。
長めですのでお時間ある方はぜひ見ていただきたいです!

まず始めに、【 Design Bath in Tokyo 】って何?となると思うので、そこから説明を。
アイデア発想の手法の一つとして”カラーバス”(「color bath」 color=色 bath=浴びる)という言葉があるのですが、ある一つのことを意識することで、それに関する情報が無意識に自分の手元にたくさん集まるようになる現象のことを言います。
これは色に限らず、言葉やイメージ、モノなど、意識するあらゆる事象に対して起きるとされています。

実際に、私もコンセプトに悩んで頭の隅に置いていた際に日常で入り込んでくる言葉がヒントとなってアイデアが生まれたり、クリエイティブに関わる方はこの現象経験があるのではないでしょうか?

(「Design Bath in Tokyo 」企画資料 )

今回の企画は、一泊二日で、1人/5万円を会社から支給。あらゆるクリエイティブが集まる街「東京」に行き、“意識して見る”こと。
そこで体験し見たもの、得たものを「知識」としてインプットし、デザインやディレクションの仕事に活かしていいものを生み出すことや、地方のデザインと東京のデザインの違いを感じてきてほしいというものでした。

【 ツアーの条件 】
● 下記のジャンルには必ず行くこと
・ビューティーサロン(美容室 / ネイル / アイラッシュ / ヘッドスパ他)
・飲食店
・展示会
・ファッション
● 行くところを決めて事前に計画表を提出すること(理由も添えて)
● 事後報告としてブログを書くこと
● ツアーで使用した領収書を提出すること

(「Design Bath in Tokyo 」企画資料 )

クラッチ初の試みのこの企画!始め、代表の3人に萌さんとミーティングルームに呼ばれ(この時点で、もう怒られることしか頭にない笑)この企画が発表され、入社3,4年目の萌さんと私でいくことに。この組み合わせになったのは、普段デザインをする際のプロセスが、感覚的(岡田)と論理的(附田)で異なり「そんな二人を混ぜ合わせたらどうなる?」というところからでした。
半ば実験的この企画を継続できるかは、私たちに架かっているとのこと(笑)色んな組み合わせで行ったり、場所や予算を変えたりしてみたい企画なので「絶対に潰したくない!!」という気持ちでのスタート。

「2人で10万円の予算をどう割り振るのか」、「どの展示/お店を回りたいか」などスケジュールや滞在するホテルを含め3回ほど萌さんと打ち合わせを重ねながら計画しました。行きたいところ全部詰め込んだギチギチめの計画表を、12月に代表に提出し無事「OK」が出たのでした!

( day 1 )

出発は朝早く、気合いを入れて7時代の新幹線を予約!
年密に確認して、同じ車両/座席の乗車券を発行したはずが、指定した時間がそれぞれ違い急遽自由席で向かいました(笑)スタートからすでにトラブルwwww


到着して早速、朝ごはんを食べに「ふ定食屋」(@fu_teishokuya)へ行きました〜。
外には暖簾に、信楽たぬき。入店前から大興奮の店構えでした!
1月なので、しめ縄が掲示板にかかっていたの可愛かった!


メイン料理を注文し、好きな小鉢を取っていくシステムで、選んでいる時からワクワク…!
オフィスで納豆を毎日食べている強者/萌さんは、当たり前に納豆を選択してました。

[select]
岡田:焼き鮭・ベーコンエッグ・納豆・青菜の胡麻和え・味噌汁・白米
附田:煮魚・ぶり大根・青菜の胡麻和え・梅ぼし・味噌汁・白米

味も全部美味しくて、お米の柔らかさが抜群すぎました!
店員さんもお客さんも私たちと同世代くらいなのに、店内にはラジオが流れて、銀トレーに色も形も違う陶器の小鉢が並んでいて、ノスタルジックな雰囲気が現代のものと融合しているので居心地が良かったです。食器やライティングの空気感、触れるもの全てが優しい雰囲気でまた行きたい…!!と心に決めたお店でした🍚

満腹になってから、運動しがてら代官山へ歩いて移動し、「T-SITE」へ。


通りに立ち並ぶお店も、一つひとつデザインされていてカッコいい建築物ばかり!平日の代官山の空気感は休日とは違いお仕事をしている人が多い印象でした!
蔦屋書店でもパッケージや本、お店を見て一つひとつにこれいいねあれいいねと、吸収。初日で2人とも感覚が敏感になりすぎていて、余白多めのマツキヨの看板やメトロのスピードが爆速なのとか、普段の旅行では通り過ぎてしまう日常的なものがこの時は新鮮に感じて、BATHしてるわ〜と実感(笑)2箇所目にしてめちゃくちゃ楽しんでました!

次に向かったのは、これをメインに見に来たと言っても過言ではない、六本木の21_21 DESIGN SIGHT「もじ イメージ Graphic 展」!!


この展示は、「文字とデザインの関係」にスポットが当てられており、漢字・ひらがな・カタカナを併用してきた日本語の歴史や、グローバル化によってグラフィックデザインがどう進化してきたのか、そしてインターネット環境が社会のインフラとなり、ビジュアル情報が飛び交い、横組で文字を打つことが日常化した時代に「日本の文字」はどのようなデザインの可能性を秘めているのか、国内外54組のグラフィックデザイナーやアーティストによるプロジェクトを13の現代的テーマに分けて紹介しています。

展示内容は想像以上にあり、内容が良すぎました。テーマに分かれていてみやすい!
余白が意識されたデザインや、処理しきれないほど情報が詰め込まれたデザインなど、アートの領域にも入ってるプロダクトもあったりと、終始ワクワクするいい展示でした。同じ日本語という括りの中でも音で意味を伝えるものと形で意味を伝えるものが複雑に混じり合っていて、日本語を使った「伝える」のアプローチがこんなにもんあるんだと思うと、この展覧会にこれだけの作品が並ぶのは納得でした。日本ならではこの文化を楽しんでデザインをしたいと思いました。

その中でもいちばん印象的だったのは、タイポグラフィのエリア。文字に肉付けされた時の存在感が惹きつけられるものばかり。崩していても読める・伝わる。アートとデザインの境界線にいるような感覚が面白かったです。一部の展示ではその形になるまでのラフなども展示されていて、その数が凄すぎる…。手を動かさねば!ヒリヒリした気持ちになりながら回っていました。
本や、SNSなどで拝見していたデザイナーさんのプロジェクトを実物を見ることがなかなかないので、このタイミングで展示に行けたのは本当に嬉しい…!!!違う視点で5周くらいしたい展示でした!
最初は萌さんと同じペースで回っていたのですが、私が遅すぎていつの間にか逸れていました(笑)
21_21 DESIGN SIGHTの青ペンを会社の皆んなにお土産で購入しました!🔵

21_21 DESIGN SIGHTの後は、ちょうど展示会がなかったのですが建物だけでも見るために、おとなりの「国立新美術館」へ!


建築家黒川紀章氏が設計した最後の美術館は、やはり圧巻。建物が見えた瞬間のファサードのガラスカーテンウォールは、動き出しそうなくらいに滑らかに感じました。中にある逆円錐型は、レストランやカフェスペースになっており、上から眺めていると宇宙船に見えてきてカッコよかった。
座ると立ち上がれなくなる快適な椅子で休憩をして再出発!

私が絶対に行きたいと主張した、「モネ連作の情景展」!!!
第1回印象派展が開催されてから150年の節目を迎えることを記念し、東京と大阪で開かれることになったこの展示。国内外の美術館から集められたモネの代表作60点以上が展示されていて、力の入れ方が半端じゃありませんでした…!
初めて音声ガイドを使ってみてみました!平日の夕方でも人がすごくて、しっかり文字を読み込む時間が少なかったので、使って正解でした!!解説だけでなく、情景に合わせた音声やこの展示のために書き下ろされたイメージソングがあったりと人混みが気にならなくなるくらいモネの世界観に入り込めました。
ここからめちゃくちゃモネ展の解説になります🙇‍♀️

『印象派』を代表する画家のひとりとして有名なモネですが、今回の展示では印象派となる前に遡り、モネの革新的な表現手法の一つである「連作」に至る過程が展示されています。
当時のパリでは、モネのような新しい作風の絵を描く画家は評価を得ることが難しく、今回初来日の『昼食』がサロンに落選し、落胆したことをきっかけに自分のやりたい絵を描こうと決意し、『印象派』として若い画家が集まり展覧会を開くようになったそうです。
展示の第一章では、モネの印象派以前の作品が紹介されており、この時点でも色を混ぜ合わせないことが特徴的な「筆触分割」で描かれていましたが、印象派以前の作品は風景画のように全体の物質を捉えた作品でした。

(ザーン川の岸辺の家々/1871年 油彩、シュテーデル美術館)

章がすすむにつれて、物質を捉えることから光によって変化する自然の表情に焦点をあて、作品の物質の輪郭は曖昧になり柔らかな印象になってました。色彩に対する並外れた感覚で、補色の効果も利用したり、色が混ざると暗くなるため、実際とは異なる色で「筆触分割」を利用し見る人の目の中で色を混是合わせることで、明るさを調整していたそうです。(もう、次元が凄すぎる…!)
連作の表現をするようになったのは、画家として売れ始め旅行ができるようになってからで、数ヶ月滞在した場所で何度も同じモチーフの季節や天候、時刻によって、海や空、山や岩肌の表情が絶え間なく変化する様子を描いたそうです。

(ウォータールー橋、曇り/1900年 油彩、ヒュー・レイン・ギャラリー)
(ウォータールー橋、ロンドン、夕暮れ/1904年 油彩、 ワシントン・ナショナル・ギャラリー)
(ウォータールー橋、ロンドン、日没/1904年 油彩、ワシントン・ナショナル・ギャラリー)

「連作」として展示すると大好評を博し、国際的な名声を築いたモネは、その後も次々と連作に着手します。『ウォータールー橋』の3作品は特に時間や天候によっての物質の見え方の変化がわかりやすく、曇りの重い空気感や、日没前の夕日に照らされているものだったりと、同じ橋のさまざまな表情がグラデーションのように並んでいたのが印象的でした。

(睡蓮/1897-98年頃 油彩、ロサンゼルス・カウンティ美術館)
(睡蓮の池/1918年頃 油彩、ハッソ・プラットナー・コレクション)

最終章では、モネが愛した『睡蓮』が紹介されていました。視覚障害に悩みながらも86歳で亡くなるまで制作を続けたそうです。色が判別出来ない状態になっても書き続けたモネは本当に絵画が好きだったんだろうなと感じました。

「もじ イメージ Graphic 展」の後ということもあり、同じ物質を時間・季節を変え描き続けるモネの連作は、デザイナーが一つの課題にさまざまなアプローチでアイデア生み出すようなものにも感じて、決して最初からこの手法を確立していたわけではなく、自分のやりたい表現を貫き、進化させ新しい時代を作った苦渋と努力にグッとくるものがありました。

こちらでも同様、萌さん早すぎて序盤で逸れていたので、萌さんと合流後、グッズの行列に並びグッズと図録と購入し大満足。(やっぱり積みわらちゃんポーチは見れず)展示内容も異なるとのことだったので、4月くらいに大阪にも行ってそうです!

モネ展の後は早めに、上野の居酒屋さんへ!(なんだかんだ萌さんとサシ飲みはこれが初めて笑)
Instagramで探して、特徴的なネオンと料理が美味しそうで「大衆食堂 ゆしまホール」さんへいきました!

最近の会社やプライベートのことや、恋愛の話とかして楽しかった〜。
いつも帰り道一緒になる時くらいしか仕事以外の話をしないので、この時間は貴重でした(笑)

萌さん酒豪なのに、飲めない私にペースを合わせてくれて優しい!
出てくるもん全部美味しくて1日目のご飯充実しまくりでした🍚

宿泊は、「ホテルメッツ 東京ベイ新木場」へ。

計画段階で萌さんと相談し、価格帯重視で清潔感や口コミ評価の良さげなホテルを10件のリストアップし、萌さんにプレゼンし決定。
(ホテル選びがいちばん楽しかった笑)


ホテルメッツ 東京ベイ新木場のテーマは「人と木が織りなす、おもてなし。」

建築のデザインは、[2020年度日本建築家協会優秀建築選]に選出されており、北欧を感じさせるあたたかみのあるデザインでした!木材の街として歴史ある新木場の特性を活かして、フロントロビーに三大銘木と言われるチーク材が使用されています。建物の外観や内装にも木材が取り入れられていて木のあたたかみを感じる空間でした。また、ファサードは客室の出窓と一体化したデザインになっていて、出窓は3種類の大きさがありそれぞれ部屋に合わせてベンチやデスクなどとして活用されており、単調になりがちなビジネスホテルのファサードにリズムを生み出す効果もあるそうです!

私たちの部屋の出窓は、デスクになってました!私はこのデスクに本当に助けられ毎晩お友達してました(笑)朝ごはんも美味しかったのでまた利用したいホテル!!

21_21 DESIGN SIGHTとモネ展でグッズや図録も購入!東京駅でumaoさんのガチャガチャvol.02を発見し回しまくってました!(白猫だけ引けず…。)

酒豪・岡田のストッパーの役目を担っていたのですが、一日中動き回っていたのでそんな気力もなく、コンビニで買ったお酒は開けることなくアイスを食べ、1日目終了です!

2日目も更新していきますので、ぜひ見ていただけると嬉しいです!